社説

社説 [FA18部品落下] 国は危機感持ち対応を

2020年2月14日 08:47

 またも訓練中の米軍機から部品が落下した。

 米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)所属の海軍FA18戦闘攻撃機1機が、機首部分の給油口カバーが外れた状態で嘉手納基地に着陸した。軍用機の部品落下は重大事故につながりかねず危険極まりない。

 同機は11日に3機が飛来し、嘉手納基地所属のF15戦闘機と合同で訓練していた。翌12日、離陸時にあったカバーが、着陸時に外れていたことが目撃者の証言で明らかになった。

 部品落下について米軍からの連絡はなく、県や沖縄防衛局が照会したが同日中の回答はなかった。米軍機事故の通報態勢の課題が今回も露呈した形だ。落下事故を軽視する態度で看過できない。

 訓練中、同機は嘉手納基地周辺の市街地上空を飛んでいた。目撃者からは「旋回するように飛んでいた」との声もある。米軍は「搭乗員がカバーがないことに気付いたのは嘉手納周辺の海域だった」としているが、正確な落下場所は不明だ。13日現在、人身被害や物損などの情報は寄せられていない。この日、同型機の訓練は実施されなかったが、基地周辺住民の不安は膨らむばかりだ。

 米軍機からの落下事故は判明しているだけで過去5年間に11件。そのほか今年1月にも伊江村で、パラシュート降下訓練中にプラスチック製のおもりをキビ畑に落下させる事故が発生した。

 事故のたびに関係自治体は米軍に再発防止を要求するが、繰り返されていることをみると防止策が機能しているようには見えない。

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 米軍基地と居住地域が隣接する県内では2017年に普天間飛行場所属のCH53Eヘリが小学校に窓を落下させた事故をはじめ、基地周辺の民間地へ落下することが多く、住民生活を脅かしている。

 嘉手納基地では昨年11月からFA18戦闘攻撃機やF35B戦闘機が次々に飛来。緊急着陸も頻回に発生している。政府は機会あるごとに「沖縄の基地負担軽減に取り組んでいる」とするが、両基地は近年、外来機の増加や訓練の激化が著しい。事故の危険性が高まるのは必然で、負担軽減とは逆行していると言わざるを得ない。

 軍用機の老朽化も問題視されている。今回カバーを落下させたFA18戦闘攻撃機の本来の運用期間は6千時間だが、専門家は後継機開発の遅れを理由に期間を延長して使用していると指摘している。

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 同型機は18年11月に北大東村の南西海上に墜落したほか、米国でも昨年12月と今年1月、給油飛行訓練中に相次ぎ重大事故を起こした。

 老朽化した機体を市街地に近い沖縄の基地で使用し続けるのは問題だ。政府は根本的な再発防止策の一つとして、米軍に対し運用期間の過ぎた軍用機の使用禁止を求めるべきだ。

 繰り返される落下事故を見れば、通り一遍の再発防止要求では足りない。危機感を持って米軍と対峙(たいじ)し、早急に目に見える対応策を引き出すべきだ。

 
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